長い長い一日

Writer: Rie nishizaka

3月11日。多分一生忘れないであろう一日。

その日、地下のイタリアンでちょっと遅めの食事をしていた私は、ちょうど食後のコーヒーを飲もうとしていました。

カップを持ち上げたとき、なんとなく違和感が・・・。

「地震?」天井をみると照明が揺れいています。

いつものようにすぐに治まるだろうと思っていると、これがなかなか止まらない。帰ろうかどうしようか迷っている矢先、店の人間からの避難命令が・・・。

多分、私を含め中にいた客達は、その言葉を待っていたのだと思います。一斉に立ち上がると出口に向かって走り出しました。

地下なので恐怖感も倍増なのでしょう。

地上の揺れに恐怖を感じて階段の上で止まってしまう人、下から悲鳴を上げながら押し上げる人、階段途中で泣き出す人・・・。

恐かった・・・。本当に恐かった。ちょうど階段の真ん中あたりまで来たときに、一度目の大きな揺れ。思わず前にいた男性のスーツをにぎりしめちゃいましたよ。

正直「これまでか・・・」と思いました。

やっとのことで外にでると、足が震えて座り込みそうになるのを堪え、事務所に戻りテレビをつけました。

テレビの速報で「東北地方で震度7。津波警報発令」。

愕然としました。うちの実家は福島県いわき市の江名という小さな漁港。大きな津波なんて来たら一発で流されてしまう。

それからは事務所の揺れの恐怖と、両親の心配で頭がパニック。

高齢の父は目が見えないので何をするにも母の介護が必要なんです。

逃げる途中で足元のおぼつかない父が怪我をしてしまったらどうしよう。母がそれに巻き込まれてしまったらどうしよう。

もう車に乗っただろうか。それとも裏の観音山に登ったのだろうか・・・。津波警報は鳴ったのだろうか。避難場所はどこなんだろうか。

あ~神様。どうか両親を助けてください。都合がいいようだけど本気の神頼み。

通信手段がないというのは、こんなにも人を慌てさせるものかと再認識しました。

その後、地震の鎮静とともに自分も落ち着きを取り戻し、とりあえず仕事を再開。

余震を繰り返す事務所の中で恐怖と戦いながら書いた見積書。

クライアント様。私の念がこもっているので、ぜひ正式発注お願いします。

その後、心配してかけつけてくれた近くに勤務する方と一緒に歩いて帰ることに。

両親のことを思い泣きながら歩く私に、「俺はとっても運が強い。だから今俺と歩いている人の家族にその運は間違いなく伝わる!」と彼。

なんの根拠もない言葉だけど、思わず笑ってしまいました。

ありがとうございます。その言葉に救われました。

暖をとりながら歩くこと3時間。

ヒールで歩くのがつらくて、途中でスリッパに履き替えたりしたけれど、なんとか無事家までたどり着きました。

子供たち(猫達)も無事で、明け方には両親とも連絡がとれ、とりあえずほっとした私。

でもまだまだ気は抜けないです。津波から逃げても原発からは逃げられませんから。

それにしても3月11日はほんとに長い一日でした。


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