ガタカっていう映画のDVDを見た。
この映画は1997年に公開されたアメリカのSF映画。
近未来、子供はすべて生まれる前に遺伝子診断をされる。
この遺伝子診断の結果で、「適格者」か「不適格者」かに分けられる。
適格者というのは、寿命が長くて遺伝病や生活習慣病発症の恐れもなく性癖も正常で世界の未来を担う人間。
不適格者は、寿命が短くて遺伝性や生活習慣病を発症するおそれがあり、暴力性や盗難癖があると思われる人間。
たいていの場合、出産前の遺伝子診断で不適格者と判断されれば、人工的に生まない選択をする。
生まれてくる子供はすべて優秀で健康な人間ばかり。
遺伝子診断をせずに自然分娩なんてことをすれば周りから白い目で見られる。
そんな世界。
主人公は、親の考えで自然分娩で生まれ、生まれた直後の遺伝子診断で不適格者と判定されてしまった男の子。
この世に生を受けてから死ぬまで、学歴も仕事も選ぶ余地はなく、人生の底辺だけを歩いていかないければならないっていう烙印を押されてしまうの。
怖いよね。
この遺伝子診断でショックを受けた親は、次の子供は出産前に遺伝子診断を受けて適格者を出産する。
兄弟の間で物心つく前から雲泥の差があるなんて、もっと悲劇だよね。無責任な親だよ、まったく。
でも主人公の夢は宇宙飛行士になることだったの。
試験さえも受けさせてもらえないっていうのに、子供の頃から一生勉強して筋トレして・・・。
でもだめなの。チャンスさえもらえない。
だから彼は禁断の方法を使って適格者の称号を手に入れようと画策する。
でもその方法に気がついた人がいて・・・。
ってな感じ。
感想から言えば、一言「遠くない将来こんな世界が来るのかもしれない」ってこと。
今だって遺伝疾患は出産前に診断できるようになっているから、それがもっと極端に進化した世界がこの映画の世界。
面白かったと一言で言うには、内容がシュールすぎて、いろいろ考えさせられる映画だった。
もし自分だったらどっちに判別されるんだろう。
ちなみに主人公は、寿命は30歳、心臓に疾患を発症する可能性があり、暴力傾向がある。
と診断されてた。これはあくまで可能性であって、確定ではない。
でもそれだけで不適格者になってしまうの。
昔の奴隷制度みたいに、一度烙印を押されたら一生這い上がれない夢も希望もない人生を歩くしかなくなるの。
考えただけでぞっとする。
でも医療が進歩する、科学が進歩するってことはそういう状況を生み出す可能性があるってことなのかもしれない。
IPS細胞だってもっともっと進化すれば、不老不死とかクローンとかそんなところまで行ってしまって、大金を積んだ人間だけがその利益を享受できる世界になってしまうのかもしれない。
なんて考えたらなんだかズド〜ンって落ち込んだ。
生命はもっと神秘的なものであって、人が手を加えられるようなものじゃない。
この領域に手を出すってことは神への冒涜だよ。
興味があったら一度見てみて。いろんなことを考えさせられる映画だから。