懐かしい

Writer: Rie nishizaka

ある日ポストを覗いたらハガキが一枚入っていた。

なんだろうと思い見たら、とても懐かしい方からの私信だった。

私が最初に赴任したのは麻布税務署。

また成人式も迎えていないピッチピチの新入社員だった。

その頃はちょうど消費税が導入された年。

幸か不幸か、のっけから消費税先端部門に配属された私は初めての税制に戸惑うばかりで、電話恐怖症になってた(笑)

だって電話の内容がわからないの。

何を聞かれているのか、税法のどこを調べて回答すればいいのかがまったく解らない。

予備知識無く電話対応する時の恐怖感といったらあなた…。

地獄の所行ですよ。まったく。

そんな時、同じフロアに勤務していたのが、ハガキをくれた方。

実年齢が思いだせないけど、かなり年上だったような気がする。

細身で姿勢が良くていつも扇子を持ってのんびり歩く姿が風流な感じを与える素敵な人だった。

面倒見が良かったから、あの頃の若手はみんな彼のことを慕ってたんじゃないかなぁ。

失敗するたびにその方のところにいって愚痴を言い、慰められて仕事に戻るといったことを繰り返していたような気がする。

そんな彼のことで強烈に印象に残っている事。

いつもの失敗なんか目じゃないほど、大失敗をした西坂。

悔しくて自分が許せなくて、自席で泣き出した。

周りがおろおろする中その方がやってきて、座っている私の目線までかがみ込み、そして言った。

「西坂。いい女っていうのはどんな時も人前で泣かないもんだ。」

「今日は飲みに連れてってやるから、トイレで化粧直してこい。」

全然本質とずれてるなと思ったけど、確かに化粧がとれたらハズいじゃんね、なんて思いながらトイレで鏡見たら本当に化粧が崩れてて思わず笑ってしまった。

なんて顔してんのさ、私。

これでなんとなくすっきりして、また何事もなかったかのように仕事を始めたんだけど、今思えば良い言葉なぁと。

失敗を慰めるわけでもなく自席で泣いた事を非難するわけでもなく、のんびりした口調で化粧のことをいうなんて、なかなか出来る事じゃないなと。

結局その方と一緒に働いたのは1年か2年ぐらいだったような気がする。

その後はお会いすることもなく私は退職して今に至る訳なのだけれど、今回私のブログを発見して懐かしく思い筆をとったということが書いてあった。

 

ありがとうございます。

とても懐かしい。

昔の記憶が一気に蘇ったわ。

近々私もお手紙書きます。

何かの機会に思い出話ができたら幸いです。

 

 


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