物を作るということ

Writer: Rie nishizaka

化粧品OEMというのは、小ロット低予算でオリジナルの化粧品が製造できる方法ですが、この手軽さゆえにいろいろと大変な部分もあります。

一番困ってしまうのは、コンセプトも販路も商品インパクトもなにもない場合。

決まっているのは予算だけ。

これを作りたい。それはよくわかります。

でもなぜそれを作りたいのですか?→ここにコンセプトが存在します。
どうやって売るのですか?→ここに販路が存在します。
何が目玉なのですか?→ここにインパクトが存在します。

自分で手作りで化粧水を作ってみたら、なんとなく肌に良くって、そうしたら売りたくなって・・・。これは一番まずいです。
自分の中できちんとしたブランがない商品は、絶対に売れません。

以前、とある成分の名前を出して、これを使った化粧品を作りたいというご依頼がありました。
その成分自体を指定したというよりは、手作り化粧品キットのようなものをお持ちになっていて、完成している化粧品に天然精油を入れて作ったとてもお手軽なもの。販路も何もないけれど、とりあえずそれを商品化してほしいということでした。

内容成分を見ると、今巷で騒がれている細胞活性成分です。
確かに薬事法的にも合法なものでしたが、いろいろ調べたところ、長期間使い続けると皮膚に色素沈着を起こす恐れがあると
懸念されている成分でした。

早速そのお話をクライアントにしましたが、自分が使ったものに愛着があったのか、自分の肌にはとても良いということで、絶対に譲りません。他の成分で作った試作品などを試していただきましたが、それが絶対に良いとの思い込みからか、弊社の試作品では吹き出物ができるといわれる始末で・・・。

ここで怖いのは、今は薬事法上認可された成分であっても、なにか問題が起きた場合に、その認可は泡のように取り消されるリスクがあるということ。

そうなれば、薬事法違反の化粧品となり、製造した商品、店頭に並んでいる商品すべてが回収対象となります。
そのリスクも全てお話しましたが、すぐに売ればいいんでしょ、とにかく作ってくれの一点張り。

すぐに売ればいいんでしょ?この一言が私の琴線に触れ、結局、弊社では責任が負えないということでお断りしました。

物づくりは自己満足ではありません。

作ったからそれが次の日から爆発的に売れるかというとそういうものではありません。

だからこそ、ビジョンが必要、販路が必要・・・そしてもっと必要なのは作り手の誠意です。


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